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2018/08/05

オサムシタケとオサムシタンポタケ

広告が出るどころの騒ぎではなく更新が滞っておりました。やる事が多い上に子供まで産まれりゃ時間は無くなります。フィールドは行きますけどね笑
ともかく今回の話題ですがオサムシタンポタケとオサムシタケについてです。
皆さんは初めて見てこの二つの違いを聞かれれば間違い探しに感じると思う。それもそのはず、この二つは種類としては同種でアナモルフとテレオモルフの関係にあるのだ。簡単に言うと違いは以下の通り。
テレオモルフ:有性生殖を持つ生殖形態。胞子の生産効率は悪いが、親とは違った遺伝的個体が生まれる。環境が劇的に変わった時に突然変異で生き残れる要素がある。オサムシタンポタケ。
アナモルフ:有性生殖を持たない生殖形態。親のクローンが増えていく。胞子の生産が単純。オサムシタケ。
オサムシタンポタケ

オサムシタケ

間違い探しの答えはオサムシタンポタケには先端にゴツゴツしたものがあること。この部分にはたくさんの子嚢胞子という胞子が詰まっている。

オサムシタケに比べてオサムシタンポタケは圧倒的に発見頻度が低い。長年憧れていた種類で、発見報告を見ると「大量にオサムシタケが発生している場所にオサムシタンポタケが少数混じる。」ということなのでそう言う場所を探しても全く出ない。
というわけでツイッターに発見報告があったので案内してもらうと、なんの特徴もない水田裏の里山林。というより湿度もあまり高くなく冬虫夏草をあまり探しに行かないような環境だったのだ。しかし探してみると確かにある!ただ、オサムシタケもオサムシタンポタケもあまり多くない。合わせて10個体程度だったと思う。比率的には4:6くらい。比率的には今までの報告からすると圧倒的に多い。これには驚いた。
予想の範疇は出ないが、本来のオサムシタケとオサムシタンポタケは今回のような里山林なんじゃないだろうか。
僕が知っているオサムシタケが大量に出る場所はもっと湿度が高く、茹だるような環境だった。じゃあ、なぜオサムシタケが大量に出るのか。おそらくアナモルフ全般に言える環境適応能力の高さにあるのではないかと思う。例えばハナサナギタケやコナサナギタケは代表的な冬虫夏草のアナモルフだが、あらゆる場所に発生する。
極端な話僕が冬虫夏草を探すようになってから庭にハナサナギタケが出るようになっている。生物コンプライアンス(新しい)的にはどうかと思う。ごめんなさい。
話はそれたが、こうして(?)移動したオサムシタケかオサムシタンポタケがオサムシ大量発生地にたどり着いてガンガン寄生して繁栄したものの、テレオモルフを発生させるにはイマイチ環境が合わない。なのでアナモルフのオサムシタケが大量に出る、、、。ということなのでは。オサムシタケも地域によって宿主は同じオサムシでも種類が違うというのもここにあるのでは。と言うことを先週くらいに誰かと夢で話した。たしか相手も同意していたはずだけど、まさかあの相手はオサムシタンポタケだったのでは。
まだまだ穴が多い理論だけど、こういった視点でフィールドを見ると面白い。妄想は自由ですしね。
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2018/06/07

生育条件の差

最近僕の中でヌンチャククモタケがホットな話題になっている。興味があればツイッターで騒いでいるので見て欲しい。
ところで僕は今までかなりのパターンでヌンチャククモタケを追培養しているが、それを並べるとこんな感じ。おそらく最高の生育条件だろうと思う。




一方でこれが先日野外で採取した成熟個体。

写真だと少し分かりづらいが、子嚢果の数が多いだけでなく、一つ一つの大きさが明らかに追培養した個体の方が大きい。追培養の方も採取個体もしっかり胞子が確認できる状態でヌンチャク型であった。クモの大きさも同じくらいで栄養条件もさほどさは無い様に思う。
つまりトルビエラ型の子嚢果の大きさは条件によってかなり変動があって、同定の基準としては注意を要するんじゃないかと思っている。まぁ、ヌンチャククモタケと思しき種類が細分化される線もあると思うんで、確信は持てないけど。
ここからは完全に妄想だけど、トルビエラ型の冬虫夏草は柄のある冬虫夏草が柄を欠いたもので、条件が良くなると本来結実部が大きくなる代わりに子嚢果の数とそれ自体が大きくなる、、、とか考えるとロマンチック。学術的な根拠は何も無い笑。けどこんなこと考えてる時間が一番楽しい。
2018/04/24

冬虫夏草との親和性

冬虫夏草を探していると、付随して沢山の生物が見えてくる。粘菌もその一つだ。思うにその理由はゆっくりと小さいものを探す視点が共通しており、目に入りやすい部分が大きいのだと思う。ただ、粘菌の探索に必須な知識だと思われる植生や温度湿度等の条件については、偶然に任せていると言える。
冬虫夏草でいえば別の生物屋が見つける種類はド珍品が多く、決して侮れない。環境条件の視点に固定概念が無いから、冬虫夏草屋が見つからないものが見つかるのだ。そう考えると、非常に美しい粘菌との一期一会を写真に収めておきたいと思うようになるのだ。

しかし美しい。どうして焼けた鉄のような色が出るようになるんだろうか。種類については詳しくないが、拡大すると更にハッと思わされる。これからも観察を続けたい。

2018/03/25

ギベルラ属追培養総集編

約3ヶ月半に渡る追培養が先日カビるという形で終了したのでその過程を貼っていく。温度は10℃でキープ、湿度はなるべく60%にしている。


1-2週でよく分かるが、分生子が形成される前のシンネマは黄色く、よく見る紫色は完全に分生子に起因している。何気にこういった事実を客観的に捉える機会って少ないと思う。






今回は14週まで追培養を続けてついにカビてしまったが、実は8週目の時点で個体としてはほぼ死んでいると思われる。というのも少しシンネマの先をピンセットで触れただけでボロボロに崩れていくのである。野外では雨風がある事を考えればとても14週などもたず、6週目くらいには分生子を飛ばし切って崩壊を待つばかりなんだと思う。




この時点では、目に見えてボロボロ。


これで追培養を終了した。野外での生活環が見えてきたのは大きな発見だが、12月上旬にシンネマを出し始め1月中旬には分生子を飛ばし切って何をしたいのだろう。完全に予想でしかないが、分生子は何らかの状態でクモを待ち構えているのではないだろうか。この考えならより早く分生子を飛ばす事にアドバンテージがあるのかも知れない。
追培養は新たな発見と予想を与えてくれるので本当に楽しい。

別角度のものも貼っておく。場合によってはこの方が変化が見やすいかもしれない。














2018/03/03

カメムシの魂を送る

これはカメムシタケ、、、ではない。オクリビカメムシタケという種類で、お盆頃に発生するのに加え、結実部がまるで炎のようで死んだカメムシの送り火に見えることからこの名前が付けられた。名は体を表す非常にかっこいい冬虫夏草である。

なわけはなく、ただのカメムシタケの奇形である。持ち帰って調べると胞子を全く作れていないようだった。健全の個体と比べるとその差は歴然。

前にも書いたが奇形にはあまり興味が向かない僕だが、カメムシの死を冬虫夏草が強調しているようで、「良い奇形だ」という変な感想が出た思い出深い個体である。強調と言っても殺したのはカメムシタケ自身な訳だが、、、。