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2019/03/31

クモが面白いそしてその副産物。

タイトルの通り最近僕の中でクモが面白い。何が良いって特にハエトリグモだが恐ろしさと可愛さが混在するこのデザイン。これはズルい。老師感が凄い。微妙に役に立たないアイテムを授けてくれそうだ。

かと思えばとんでもないデザインのものが現れる。大きな鎌を備えているようなデザインに黒光り。中二病が歩いているようである。

ただただ純粋にカッコイイやつも出てくる。いかにも獲物を確実に仕留められそうな洗練されたデザイン。素晴らしい。

と思えば正面から見た顔はこのアホ面である。不意打ちは良くない。撮影してて一人で笑ってしまった。

とまぁ、魅力を挙げればきりがない。最初はなかなか見つからなかったクモたちが見つかるようになってきた。冬虫夏草も同じだが、クモが見つけられたら周りをキョロキョロして自分なりにその種がいた理由を環境から考察してメモしてみる。外れているかもしれないけどこれが結構効果的だったりするのだ。冬虫夏草であれば、これに論文や図鑑での答え合わせが入るが、残念ながらクモに関しては現状そこまでできていない。
そこで思わぬ副産物も手に入っている。冬虫夏草の生活環を宿主側から考察することである。冬虫夏草に関する情報に、宿主のクモ側の視点をくっ付けると、、、これがとても面白い!
というわけで、有識者の手厚い助けもいただいているが、ある冬虫夏草の生活環に関する報告ができそうなのだ。なんにでも興味を持ってみるものだなぁという話。
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2019/02/18

おもちゃの話

今回の話は冬虫夏草ではないし、思い出の話が多いので飛ばして良いかも。
昔から今まで僕は何かを集めるのが好きだ。
そんな僕が当時中学二年生の時に死ぬほど熱中したおもちゃがあった。デモンズクロニクルというフィギュアである。確か600円くらいで小箱に入ったブラインド仕様で様々な悪魔のフィギュアが一つ入っていたのである。当時のお小遣いは月に2,000円。お小遣い以外にもなんとかお金を掻き集めてひたすらこれにつぎ込んでいた。お陰で中学時代に友達と遊びに行った記憶がほとんどない。
そして、この商品で最もやばいのはシークレットがあることである。このシークレットの封入率は今から考えても鬼畜。1Box10箱入ったもののカートンを買って一個しか手に入らないほど低確率だったのである。しかもシークレットが最も魅力的だったりするのである。
第一弾のシークレット、ケルベロス。デモンズクロニクルの素晴らしいところは台座まで凝った作りになっていて、造形、彩色も非常に美しいことである。

余談だが、中古屋で高値を付けられているのをごく稀に見かけるが、大抵腰の剣が無くなっている。

三頭の犬の造形も全て抜かりなし。とても17年前の商品だとは思えない。


続いて第二弾のシークレット、ルシフェル。とにかく羽の造形が美しい。でもこんなの飾っていると周りからはすっかり変なやつ扱いであった。カッコいいのに。


羽の一本一本まで全て造形されている。

長いパンツ(?)の造形、色分けも見事。

続いて第三弾のシークレット、ベルゼブブ。ハエそのものなのにどこか愛嬌がある気がする。一番のお気に入り。

羽のドクロが悪魔っぽさを際立たせる。

足元には骸骨の山。このワンポイントには当時衝撃を受けた。これ今だったら絶対に600円じゃ売り出せないと思う。


シークレット以外も当然素晴らしい。第四弾のラインナップ、麒麟。

筋肉の造形なんて今にも動き出しそうである。

さて、当時中学生だった僕がなぜシークレットをこんなに持っているのか。当時昔ながらの模型屋にわざわざ電車で通って買っていたんだけど、そうすると仲間ができるんです。しかも仲間といってもみんな年上でみんな二十歳を超えていて、なんならおっさん率もかなり高かった。その人達がとにかく優しくて、被ったシークレットはなんとか僕が持ってる資産で交換してあげようって動いてくれてた。本当に嬉しかったのを覚えている。懸賞のテレカとかと交換してもらったりして(笑)
でも今になって当時の良くしてくれた人達の気持ちがよく分かる。若い人に自分の好きなものを理解して貰えるのって本当に嬉しいのだ。僕が今冬虫夏草を普及してるのってこれが絶対に原点になっている。大切にしていきたいなぁ。
あ、最近のおもちゃももちろん好き。少し前だけど、ファイナルファンタジークリーチャーズ改は素晴らしかった。しかし、シークレット封入率の鬼畜さはどうにかならんもんだろうか。
エクスデス。言葉は要らない、カッコよすぎる。しかしクリーチャーなのだろうか。

魔導アーマー。どこか虫っぽいデザインは生物屋なら絶対好きになるのでは。


スチームパンク的なデザインも最高。

でも最近は昔ほどお金をかけられない。悲しい。
2019/01/27

マイヅルヨコバイタケ追培養

昨年のことだが、マイヅルヨコバイタケの追培養に成功した。
まず採取当初。
宿主はツマグロオオヨコバイ。冬虫夏草を続けているとまずこの段階で面白い。最終的にマイヅルヨコバイタケになるまでこれがマイヅルヨコバイタケだと信じることができなかった。虫体を覆い始めている菌糸がまるでカビだ。旧トルビエラを見てみると、もっと密で頑丈な雰囲気の菌糸が虫体を覆う。そんな常識があったからだ。知らないで野外で出会ったら間違いなくスルーしてしまう。


1週間後。かなりのスピードで虫体を菌糸が覆い、ほぼ虫体が見えなくなってしまった。ここでやはり冬虫夏草だったと思えた。ポイントは菌糸が一部黄色くなっている周辺。旧トルビエラでもそうだが、子嚢果が形成される場所は菌糸が収束し始め、それにより色が他の場所に比べて濃くなり始める。追培養をやっていてこれが見れると俄然ワクワクするのだ。


2週間後。予想通り色が変わった部分に子嚢果ができ始めている。改めて見てもこの全体的に菌糸がフワフワした状態で子嚢果が形成されるのは不思議だ。この段階で検鏡してみたが、未熟な胞子が確認できるのみだった。



3週間後。2週間の段階より子嚢果の色が濃くなっているのがわかる。この段階で始めて先人の記録通りの検鏡結果が得られた。


今回の追培養は一般的な温度に比べて高い温度、かつ比較的低い湿度で環境を設定して成功している。もう1個体を低い温度で追培養しているが、成熟まで至っていない。温度を高くしたのは夏場に成熟するだろう事を予想して設定しており、湿度は発生環境で日中の湿度を計測し設定している。マイヅルヨコバイタケはどうやら冬虫夏草としては湿度が低く、夏場に成熟する冬虫夏草だと思われる。このように追培養は冬虫夏草の生活環を予想させてくれる。また、この温度等のデータって培養する際にも使えるんじゃないだろうか。すごく面白い。
実験器具は企業秘密(笑)にしておきたいが、正直僕は追培養に苔は使っていない。冬虫夏草の追培養で最も重要なのは気温と湿度。特に湿度の管理は非常に難しい。今までの試行錯誤の大部分は湿度管理だった。その湿度管理を苔でするのはほぼ不可能だと思う。こんなことを言うと怒られそうだが。あと水が直接触れない工夫が必要だと思う。
僕は野外で成熟個体を見るだけでは得られない変化(菌糸の収束等)や生活環が見えることが面白いので追培養を続けているが、基本的には成熟を野外で待つのが原則であると思う。失敗したら同定すらできなくなってしまう。これも覚えておいてほしい。
とはいえ、ぜひ皆さん挑戦してみてほしい。本当に面白いので。
2018/12/23

発見(標本)に対する価値とは

広告が出ちゃってます。くそー、最近本当に時間がない。三連休でやっとこさ更新できました。
先日冬虫夏草の話をしていたらこんな話があった。「最近県内の〇〇という場所でサナギタケを見つけたんですよ。一応持ち帰ったんだけど、小さくてしかもサナギタケみたいな一般種でしょ?標本作ったはいいけど、放置してて梅雨でカビちゃいました。」とても残念に思う。なぜなら完全に県内新産地だったからだ。
例えばこのオサムシタケを見てどう思うだろうか。

幼虫生で迫力が無いし、なんの変哲も無いオサムシタケ。しかし僕はこの標本をとても大切にしている。というのもこのオサムシタケは富士山のかなり標高が高い場所で見つかっているのだ。冬虫夏草を探す人は多いけど、いったい何人富士山でオサムシタケを見たことがあるだろうか。
また、サナギタケで言えば汚い写真で申し訳無いが、これはどうだろう。

小さくて価値が無いだろうか。仕事である山に登った際に見つけたもので、忙しく写真はまともに残ってないが、標本は大切に保管している。というのも、このサナギタケは2,000m弱の標高で大量に発生していたのだ。一体何人が2,000mクラスの標高でサナギタケを見たことがあるだろうか。
何が言いたいかというと、発見した時のデータと標本の価値は本人にかかっていて、その価値見出すのにも経験と知識がいるんだということ。多くの人は全国的に珍しい種類を発見すると誇る。それも一理あって、その際のデータで全国的に見つかり出す例もある。だけどそればかりじゃ無くて、一般種だって新しく見つかった場所でデータを取って、標本を残して、今までの全国的なデータと照らし合わせれば、大きな価値を持つ事だってある。だから標本にはデータがセットで無くちゃならなくて、そうして初めて価値が出る。そうしなきゃ文字通り腐ってしまう。自分で自分の発見に価値を見つける。それって凄く面白いことだと思うんだけど。
あまりに残念だったんで、説教くさくていかん。
2018/11/04

冬虫夏草を上手く掘る

「冬虫夏草を切ってしまうのが怖い」こんな話をよく聞く。僕が同行すると掘るのを任されることが多いが、実のところ僕もそれほど上手くはない。というわけで、他の人に上手くなって僕を助けて欲しいので掘り方を掲載していこうと思う。
今回出演してもらうのは春の訪れを告げる冬虫夏草、みんな大好きオオセミタケさん。
オオセミタケを見つけた!

さて掘ろう!!しかしちょっと待って欲しい。初めて出会う冬虫夏草に今の段階で掘るのは真っ暗闇で物を探すようなもので、とても無謀。まずは図鑑なりネットなりで目の前の冬虫夏草がなんなのか目処を立て、地下がどのように伸びていて、宿主がなんなのかを想像する事が重要。大丈夫。そんな時のために冬虫夏草生態図鑑なり冬虫夏草ハンドブックがある。それらで写真を見てみると良いと思う。
こんな姿を想像する。多少曲がっている事はありそうだけど、基本的には真っ直ぐに地下まで続いていそうだ。また、周辺にはたくさんの根が張っていて邪魔そうだ。根切りバサミがあると便利そう。

ここで初めて少し掘ってみる。掘る時はピンセットと小さなスプーンが便利。特に、慎重に掘らないとならない柄が細いものは小石一つ一つを取り除く必要があり、ピンセットが道具の中心になる。掘るというより冬虫夏草の地下部周りの土や石を削って行きつつ根っこを切って柄を発掘していく感じ。そして、オオセミタケはまだマシだが、掘りが深くなると手元が想像以上に暗い。ライトがあったほうが便利だと思う。スタイルは終始こんな感じ。この時にヒルがいたりすると地獄だが、、、。

柄の周りを削っていくと何か見えてきた。この冬虫夏草はオオセミタケ。という事は宿主はセミ。この何かがセミの幼虫である事は想像できる。宿主が出てきたという事は宿主よりも下に冬虫夏草は無いはず。慎重に宿主の周りを掘り進めていく。

だいぶ掘れてきた。ここまでくればだいぶ安心だが、なるべく宿主は傷つけないようにしたい。例えばセミの幼虫の脚は少し土が引っかかれば簡単に折れて土に紛れてしまう。冬虫夏草の同定には宿主が重要になる事があるが、宿主を特徴づける部位が損傷してしまえば貴重な情報が失われてしまう事もあるのだ。今回の場合はなるべく宿主の体制を明らかにするため、セミの背中側から掘っている。

やっと掘ることができた。今回の場合はしっかり断面像が見えるようにこのように掘ったが、子実体は掘れたそばから土からは外したほうが良い。土に固定されたままだとピンセットが柄に引っかかった拍子に切れてしまうことがある。

掘り終わった冬虫夏草はタッパーに苔を濡らして敷き詰め、その中に入れておくと良い。写真のような状態でさらに濡らした苔で蓋をして、タッパーの蓋を閉める。こうする事によって、移動中に冬虫夏草が損傷することが少なく、乾いてしまうこともない。たまにカラカラに乾いた冬虫夏草の同定を頼まれるが、非常に難しい。乾いてしまった冬虫夏草は収縮して形や大きさが全然変わってしまうし、胞子が出なくなってしまっていることが多い。こういったことも防げる。

書き忘れていることがある気もするが、とりあえずこんな感じだろうか。最後に諦めが肝心な場面もある事も覚えておきたい。例えば、大きな木の根を回り込むように柄が伸びている場合。物理的に掘るのが無理であることが多いので、素直に諦めて木の根の下方で柄や宿主を探す方がいい場合もある。木の根の下で柄どうなっているかわからない状態で切ってしまうとそれこそ一巻の終わりだからだ。この辺りは失敗して個々が感じることなのでそれぞれではあると思うけど。
さぁ、これで皆さんも来年には冬虫夏草掘り取りマスターですね!