2018/06/07

生育条件の差

最近僕の中でヌンチャククモタケがホットな話題になっている。興味があればツイッターで騒いでいるので見て欲しい。
ところで僕は今までかなりのパターンでヌンチャククモタケを追培養しているが、それを並べるとこんな感じ。おそらく最高の生育条件だろうと思う。




一方でこれが先日野外で採取した成熟個体。

写真だと少し分かりづらいが、子嚢果の数が多いだけでなく、一つ一つの大きさが明らかに追培養した個体の方が大きい。追培養の方も採取個体もしっかり胞子が確認できる状態でヌンチャク型であった。クモの大きさも同じくらいで栄養条件もさほどさは無い様に思う。
つまりトルビエラ型の子嚢果の大きさは条件によってかなり変動があって、同定の基準としては注意を要するんじゃないかと思っている。まぁ、ヌンチャククモタケと思しき種類が細分化される線もあると思うんで、確信は持てないけど。
ここからは完全に妄想だけど、トルビエラ型の冬虫夏草は柄のある冬虫夏草が柄を欠いたもので、条件が良くなると本来結実部が大きくなる代わりに子嚢果の数とそれ自体が大きくなる、、、とか考えるとロマンチック。学術的な根拠は何も無い笑。けどこんなこと考えてる時間が一番楽しい。
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2018/04/24

冬虫夏草との親和性

冬虫夏草を探していると、付随して沢山の生物が見えてくる。粘菌もその一つだ。思うにその理由はゆっくりと小さいものを探す視点が共通しており、目に入りやすい部分が大きいのだと思う。ただ、粘菌の探索に必須な知識だと思われる植生や温度湿度等の条件については、偶然に任せていると言える。
冬虫夏草でいえば別の生物屋が見つける種類はド珍品が多く、決して侮れない。環境条件の視点に固定概念が無いから、冬虫夏草屋が見つからないものが見つかるのだ。そう考えると、非常に美しい粘菌との一期一会を写真に収めておきたいと思うようになるのだ。

しかし美しい。どうして焼けた鉄のような色が出るようになるんだろうか。種類については詳しくないが、拡大すると更にハッと思わされる。これからも観察を続けたい。

2018/03/25

ギベルラ属追培養総集編

約3ヶ月半に渡る追培養が先日カビるという形で終了したのでその過程を貼っていく。温度は10℃でキープ、湿度はなるべく60%にしている。


1-2週でよく分かるが、分生子が形成される前のシンネマは黄色く、よく見る紫色は完全に分生子に起因している。何気にこういった事実を客観的に捉える機会って少ないと思う。






今回は14週まで追培養を続けてついにカビてしまったが、実は8週目の時点で個体としてはほぼ死んでいると思われる。というのも少しシンネマの先をピンセットで触れただけでボロボロに崩れていくのである。野外では雨風がある事を考えればとても14週などもたず、6週目くらいには分生子を飛ばし切って崩壊を待つばかりなんだと思う。




この時点では、目に見えてボロボロ。


これで追培養を終了した。野外での生活環が見えてきたのは大きな発見だが、12月上旬にシンネマを出し始め1月中旬には分生子を飛ばし切って何をしたいのだろう。完全に予想でしかないが、分生子は何らかの状態でクモを待ち構えているのではないだろうか。この考えならより早く分生子を飛ばす事にアドバンテージがあるのかも知れない。
追培養は新たな発見と予想を与えてくれるので本当に楽しい。

別角度のものも貼っておく。場合によってはこの方が変化が見やすいかもしれない。














2018/03/03

カメムシの魂を送る

これはカメムシタケ、、、ではない。オクリビカメムシタケという種類で、お盆頃に発生するのに加え、結実部がまるで炎のようで死んだカメムシの送り火に見えることからこの名前が付けられた。名は体を表す非常にかっこいい冬虫夏草である。

なわけはなく、ただのカメムシタケの奇形である。持ち帰って調べると胞子を全く作れていないようだった。健全の個体と比べるとその差は歴然。

前にも書いたが奇形にはあまり興味が向かない僕だが、カメムシの死を冬虫夏草が強調しているようで、「良い奇形だ」という変な感想が出た思い出深い個体である。強調と言っても殺したのはカメムシタケ自身な訳だが、、、。
2018/02/12

冬虫夏草の実る木

もちろん本当に木に実っているわけではないが、確かに存在する。冬虫夏草界隈ではツボというが、良好な環境には写真のように冬虫夏草が群生するのだ。これはコブガタアリタケという冬虫夏草だが、この様子を見た当時「僕はワクワクしているけどアリにとってはまさに地獄だろうなぁ」と思ったものだ。本家アリジゴクよりアリジゴクなんじゃないかと思ったり。

拡大するとこんな感じ。宿主がムネアカオオアリなのでアリとはいっても全体像は結構な迫力。子実体が襟巻きに見えて可愛い印象があるところが狂気じみていて気に入っている。

冬虫夏草のツボが見つけられるという事は、冬虫夏草が発生する環境を理解できているという事。冬虫夏草屋にとってツボの発見はそういった自信にも繋がる。
実はコブガタアリタケの発生環境は冬虫夏草一般として特殊な部類に入るのだが、それもまた経験なのだ。